全日制高校に入学したものの、様々な事情や理由により中退や転校を考えている人もいると思います。
その上で、通信制高校に入学して学習をし直したいという人も中にはいることでしょう。そういった時に役立つのが転入や編入という制度です。
「全日制高校が合わなくて通うのが辛い…」という生徒でも通いやすい学校とされている通信制高校ですが、入学するために必要な条件はあるのでしょうか。
このページでは、通信制高校に入学するための条件について詳しく紹介していきます。
通信制高校の入学に必要な条件
通信制高校には、高校を中退した人や、すでに働いている人、現在の学校では卒業が難しい人など、いろいろな人が通っています。
そのため、誰でも入学できるのでは?と思いがちですが、そうではありません。
入学するには、中学校、及び、中学校に準ずる学校を卒業した者、または、これと同等以上の学力があると認められていることが条件となります。
当然ながら、すでに高校を卒業している人は入学することはできません。
年齢制限はあるの?
通信制高校の入学に年齢の上限はありません。
基本的には中学校を卒業した人、中学卒業と同等かそれ以上の学力があると認められた人で、15歳から70歳代の人まで幅広い年齢層の人が通っています。
生徒の多くは10代~20代となっていますが、年齢も経歴も違う人達が集まって勉強しているのが通信制高校の特徴ともいえます。
住んでいる地域によって制限はあるの?
通信制高校は、学校によって生徒を募集する区域に制限がある場合があります。そのため、住んでいる地域によっては入学できない学校もあります。
例えば、募集区域が埼玉県のみとなっていて、埼玉と隣接している東京や茨城の方は入学できないということも中にはあるということです。
通信制高校を選ぶ際に、募集区域が明確でない学校については、入学相談窓口を利用したり、資料請求をして確認するようにしましょう。
住んでいる地域に条件の合う学校がないのであれば、全国から生徒を募集している広域通信制高校も視野に入れて検討するのもひとつの方法です。
転入・編入に必要な条件
全日制高校など他の学校から、通信制高校に入学するには2つの方法があります。
それが「転入学」と「編入学」です。
転入も編入も「別の学校に通っていた、または、通っていてそこから移動してきた」という点では似ていますが、多少違いがあります。
他の高校に在籍している場合
現在在籍中の学校を退学してから通信制高校に入学するよりも、転入した方が単位の引継ぎができ、今ある単位を無駄にすることなく新しい学校でスタートすることができます。
通信制高校への転入を考えている場合は、現在の学校を退学をする前に、まずは通信制高校の候補をいくつか探して相談してみるとよいでしょう。
他の高校を中退している場合
他の高校を2年~3年の途中で退学した場合は、それまでの単位を引き継ぐことができますので、新入生扱いにはなりません。
1年生の途中で中退するなど、単位を取得する前に学校を辞めた場合は、引き継ぐ単位がありませんので新入学の扱いとなります。
なお、通信制高校に編入する際ですが、学校側が今の状態を知るために簡単な面接などの審査が行われることがあります。
他の高校を卒業している場合
全日制高校や定時制高校をすでに卒業し、高校卒業資格を所有している人は、基本的に通信制高校へ入学することができません。
学校で改めて勉強をしたい場合ですが、聴講生として特定の科目や教科だけを履修できる学校もありますので確認してみてください。
入学できない場合もある?
通信制高校は、多様な人が学習できるようにと広く門戸を開いている学校ですが、入学できないケースもあるのでしょうか。
健康に不安がある
通信制高校は全日制高校と比べると、実際に学校に登校して授業(スクーリング)を受ける日数が少ないので通いやすくなっています。
学校自体が、病気の事を理解して対応してくれることが多いため、健康に不安がある方は相談してみるとよいでしょう。
体調に不安があるからといって、入学できないとことはありませんので安心してください。
学力に不安がある
通信制高校の入学試験ですが、学校によっては簡単な筆記試験がありますが、基本は、書類審査と面接、それから作文になります。
通信制高校には偏差値の概念がないように、国数英などの学力試験を行うこともありませんので、学力に不安があるとしても心配する必要はありません。
学校によっては個人指導を受けることができ、自分のレベルにあった学習からスタートすることもできますので安心してください。
不登校の経験がある
以前通っていた高校で不登校だったとしても受け入れてくれる学校は多くあります。
不登校の理由によって、例えば、集団生活が苦手であれば個別指導を受けられる学校もありますし、コミュニケーションが苦手なら克服できるように先生がサポートしてくれます。
生徒一人一人にしっかりと寄り添ってくれるのが通信制高校の良さでもあります。
また、毎日学校に通うのが困難という理由で通えなくなったなら、少ないスクーリング日数で卒業することができる学校を検討してみると良いと思います。
なお、通信制高校は単位制なので、取得が必要な単位数によって学費が変わってきます。
そのため、現在の高校を退学して通信制高校に入学したい場合は、退学せずにできる限り転入を選択することをおすすめします。
まとめ
通信制高校は、年齢制限もなければ難しい試験などもないため、入学すること自体はそれほど難しくありません。
そのため、一度は高校卒業を諦めてしまった人や学校に通うのが困難で中退しようと考えている人は、通信制高校を選択肢のひとつとして検討してみてください。
通信制高校には、生徒一人一人をサポートする環境が整っている学校が多くありますので、是非自分に合った学校を見つけてくださいね。